なつかしい人、凶暴につき
「なつかしい人、凶暴につき」
元同僚が夢の中に出てきた。
私の机の真向かいに座っていた人だ。
ただ、その人、夢の中のキャラが、実際のキャラとあまりにも違っていた。
夢の中の私は、その人も含めた職場の同僚たちと歩道橋を渡っていた。雨が降っていたので、その人は私に傘をさしかけてくれた。のはいいのだけど、その人はかなりの長身で、その人が持つ高さからの傘だと、横から雨が降り込んできて、あんまり傘の役目を果たしていなかった。
そこまではまあよいとして。
その後、歩道橋を降りたあたりから、その人は豹変してしまう。
ひとつのタクシーを見知らぬ数人と取り合うことになって、その人は取り合いに見事に勝利して、さっさとひとりで乗り込んだ。
「なんで1人だけ乗るのんさ!!わたしらはどうなるのん」
タクシーの後部座席に座っているその人に向かって叫んでいた。
「せやせや薄情やぞ」、と、他の同僚たちも、同調していた。
その人は、ニヤニヤして、
「あとのみんなは、ま、これでなんとかして」
と、タクシーの窓から、お札を放り投げた。
ひらひらとお札が舞い落ちた。ちょうど4万円だった。
なんかすごく嫌な感じだった。
「ちょっと待ちーさー」
私はその人をタクシーから引きずり降ろしていた。
それから、私たちは、雨が降りしきる中、公衆の面前で格闘することになった。
すなわち取っ組み合いのケンカ。
つづく